ヒットマンズ・レクイエム −In Bruges- (2008)



 定評あるイギリス人劇作家、マーティン・マクドナーの長編映画監督デビュー作!


マクドナーの戯曲たちは、41カ国で上演され、演劇界ではすでに多数の賞を受賞
しているだけでなく、監督業でも2006年に初監督作品となった短編「Six Shooter」
で第78界アカデミー短編実写映画賞を受賞している実力派です。


 そんなマクダノー監督の満を期して発表された初長編映画となる本作は、もちろん
脚本も監督本による自信作。映画好きはもちろん、演劇通や文学ファンの心も必ず
満足させてくれる秀作です!


 本作の音楽を担当するのは、ジョエル&イーサン・コーエン監督との長年コンビ
で知られるカーター・バーウェルで、映画にミステリアスな泊を加えています。


 俳優陣には、主人公にマクダノー監督初期の舞台時代からの常連である
ブレンダン・グリーソン(ハリー・ポッターシリーズ)を始め、今やアイリッシュ
を代表するコリン・ファレル(アレキサンダー)、

華を添えるビッグ・スターにレイフ・ファインズ(イングリッシュペイシェント)、
ヒロインに超個性派クレマンス・ポエジー(ハリー・ポッター)などなど、
知る人ぞ知る俳優から有名俳優までが名を連ね、映画を見る前からワクワク
させてくれます。





                  ストーリー




 マーティン・マクダノーの戯曲のテーマは、彼の両親の祖国であるアイルランド
についてですが、今回の主人公もアイルランド人です。

 今回は、登場人物全員が、ギャング、ヒットマン、麻薬売人と、裏街道のお話
なので、マクダノー監督お気に入りのモチーフである、「子供殺し、殺しに発展する
喧嘩、配偶者の死」などの暗いテーマも見ている側に抵抗感がなく、マクダノー作品
の中でも最もエンターテイメント色が強い作品になりました。

 演劇に馴染みがない人にも、演劇(系)デビューとして最初に見る一作として
おすすめです。


 大まかなストーリーは、「世代も性格も違うデコボコ殺し屋コンビが潜伏先である
ベルギーの古都ブルージェ(ブルッヘ)で繰り広げるドラマ」といったところ。

 咬み合わない二人の会話は、二人がピュアなゆえにコミカルですが、映画の冒頭
からお互いに何か深刻な問題をかかえている雰囲気が不安を誘います。


 それでもボスからの司令さえ来なければ、このままおかしな二人のジャーニーは、
出会いあり、成長ありと平和に続いて行きそうなのですが。。。

 
 しかし、ついにやって来たボスからの司令は「パートナーを殺せ」というもの
でした。

 



← 映画レビュー・リストへ戻る






       次のページを見る →





  Full color comic and more! Go to Top page!